操る manipulation/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士 ラブパック・セラピーカード

72 操る manipulation

操るとは、自分の思い通りにものごとを進め、欲求を満たすために他者を利用しようとする行為です。それは勝つか負けるかのゲームですが、いずれは必す敗北に結びつきます。操る行為は、その対象にされた人を一人残らず硬化させてしまいます。誰もが敗者になることに反発して、少しずつ距離を置くようになるか、自らゲームに勝とうとする態度をとるようになるのです。

人を操る姿勢は、自分自身に対して受け取る価値を認められないことから生じています。それが奪い取ろうとする姿勢を生み、周りの人びとを遠ざける結果を招くのです。そのような態度によって競争心を煽られない人がいたとしても、負かされないように去ってしまいます。人を操ろうとするのは、過去の傷心や自分に対する無価値感、拒絶されている気持ちから身を守るための稚拙な防御ですが、それは逆効果にしかならず、やがては防ごうとしていたものを招き寄せてしまいます。人を操る態度を生み出しているのは、自分は拒まれるに違いないという観念です。そのために、望んでいるものを正直に求める代わりに、ゲームを通じてそれを手に入れようとするのです。

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人を操るという自滅的な行為をしていないかどうか、自分を振り返ってみてください。そのような態度は、拒絶に結びついてしまいます。あなたは、人を操る行為を通じて欲しいものを手に入れようとしていますが、そのようなパターンを内に抱えつづけていれば、もっと強い動機をもつ人たちに、あなた自身が利用される結果を招いてしまいます。人を操って首尾よく望んでいたものが手に入ったとしても、自分に対して抱いている無価値感がいっそう深くなるだけです。成功を手にしても、それは自分の価値によるものでなく、人を操作して得たものであることを、あなた自身が承知しているのです。それは、そのことを認識し、別の選択をすることによってしか癒すことのできない、自己破壊的な行為です。そのような感心できない策略的な強奪の姿勢を改めなければ、不幸な結果を招くことになるでしょう。

ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士