11 信頼 trust
信頼とは、前向きまたは後ろ向きの、いずれかの方向に働く意識の力です。それがどちらの方へ向いているかは、そこに表れている現象に反映されています。信頼するとは、ばか正直な愚直さを意味するわけではありません。それは状況を認識し、好ましい方向に向かおうとする意思に支えられた信じる気持ちであり、それが肯定的な結果に結びつくことを疑わない姿勢です。
信頼とは、先の見えない絶望的と思えるような状況さえをも嬉しい結果に導いてくれる、わたしたちの意識の力です。誰かを信じるとは、その人が信頼に応えてくれることを疑わない心を持つことです。相手を信頼することができなければ、その人から信頼を寄せられることも望めません。けれども、人についても状況についても、それがいい方向に向かうことを信じ、最善に向けて意識の力を注ぐことで、ものごとは(ときには逆説的なかたちで)好ましい展開を見せてくれるのです。
カードを読む
信頼のカードは、意識の力をポジティブな方向へ向けることによって、今の状況における好ましくない側面が好転し、前向きな展開につながることを示しています。信頼とは、どんな問題をも解決に向かわせる力強い癒しの原則です。癒しを表すこの信頼のカードは、結果に対する怖れや不安や矛盾した願望を捨て、自分の選択した方向に意識を注いで、信じる気持ちを大切にすることを呼びかけています。そうしたいと望む道を、自分の意思で選び取り、心と魂でそれを支えてゆくよう働きかけているのです。信頼は、どんな人にも、どのような状況であっても、力になってくれます。しかしそのためには、懸念や〈裁き〉にとらわれない意思をもち、必ず望んでいる方向へ導かれていくことを信じる気持ちが必要です。信頼することで、自信が生まれます。そして自信があるところには、単に取り組みの対象があるだけで、解決できない問題はありません。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士