期待 expectations/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士 ラブパック・セラピーカード

60 期待 expectations

期待とは、ものことについてこうあるべきと思い描いているイメージです。期待は、そのイメージにそぐわないものをことごとく切り捨ててゆきますが、そのように捨てられてしまうものの中には、自分でも気づいていない必要不可欠な大切なものが含まれている場合があります。

たとえ周りの人たちが期待通りの振る舞いを見せてくれているとしても、その人たちは不自由を感じながら、貶められたような思いを抱いています。期待とは、自分自身にも他者に対してもストレスとプレッシャーを与える要求にほかなりません。期待は補償の行為ですので、その性質からして、受け取る心をも閉ざしてしまいます。パートナーが期待に応える心配りを見せてくれても、それによって満足を得ることもできなければ、感動もたちまちにして失せてしまいます。わたしたちのことば遣いそのものも、「こうでなければ」「こうなるべき」「こうなる必要がある」「こうなるはずだ」と、期待の罠に満ちています。ストレスから自由になるためには、そうした表現を「こうしたい」「こうしよう」に変えなければいけません。期待がパートナーやそうなる可能性のある人をいかに遠ざけ、いらだちを引き起こしているかに気がつけば、変わろうとする意欲が湧いてきます。どのような期待であっても、その根底にあるのは、不足感を満たしたい欲求です。欲求や要求や期待は、パートナーに対して「自分だけの居場所を求める」姿勢を強いて、あなたとの距離を広げる結果を招いてしまいがちです。

カードを読む

このカードを受け取ったら、「期待」を「目標」に書き換えてください。欲求や要求や期待を押しつける代わりに、パートナーをその方向に誘うか、導く姿勢に改めましょう。期待は、何かを成し遂げても歓びを感じられないか、達成そのものを諦めるかのいずれかの結果に帰着します。いまだに水上を歩くことができないから自分をだめな人間と考えるような、完壁主義者にしてしまうのです。期待を手放し、人生から学びを得て、それが差し出しているものを受け取れるようになってください。

ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士