69 幻滅 disillusionment
幻滅は、極めて大きな痛みと失意をもたらすことがあります。幻滅は、挫かれた望み、こうあって欲しいと願っていたものが叶わなかったことを表しています。それは打ち砕かれた夢、失われてしまったロマンスです。幻滅は、人生に背を向けて死の方向へ向かわせてしまうほど強力な力をもっ場合があります。
幻滅に見舞われたときは、大切に抱えてきた幻想とそれにかかわる落胆を手放さなくてはいけません。それらを手放してしまえば、期待をかけていた幻想の代わりに、誠実で嘘偽りのない新たな視点が生まれてきます。抱えるものすべてから手を離し、より高いレベルの新しい人生に踏み出してください。幻滅とは、もともと幻想に過ぎなかったものの崩壊です。間違った相手や対象に関心を注ぎつづけてきたせいでつらい思いをすることになったのは、残念なことには違いありませんが、これからはよい方向にものごとを進めていけばいいのです。幻滅は、欲しいもの、手に入れたいと願う何かがあって、はじめて生じるものです。わたしたちの描く夢とは、願望にほかなりません。それが叶えば満たされるだろうと思うのですが、わたしたちを満たしてくれるものは、人や場所やものごとに対して、自ら差し出すものの中にしかありません。何かを得ようとして与えるのであれば、本当に差し出していることにはなりません。そうでない限り、差し出す行為は決して幻滅には結びつかないのです。自ら与えるものは、誰にも奪い取ることはできません。
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痛みをもたらすことになるだけの幻想に関心を注ぎつづける姿勢を、改めてください。夢が破れてすでに傷ついているとしたら、もうその夢は、痛みとともに手放してしまいましょう。そうすれば、これまで以上の真実と成功へ導いてくれる、新しい夜明けがやってきます。そうして歩みを前に進めることによって、自分を支える基盤を築いていくことができるのです。方向を変えて、もう一度愛と人生に向き合う道に戻ってください。過去の幻想と痛みを、そしてこれから先のことも、神の手にゆだねてください。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士
