48 悪党 villain
悪党とは、自分の利益ばかりを追求しつづけてきたために、略奪者と化してしまった人を指します。悪党はなんとしてでも欲しいものを手に入れようとしますので、自分の行く手を遮る人たちの願いや気持ちをないがしろにしがちです。
過去に負った傷のせいで、悪党はどんな状況にあっても自分の欲求を一番大切なものと考え、無理やりにでも先へ突き進んでいくことが少なくありません。悪党は周りを省みない行動をとりますので、愚直に過ぎてその犠牲にならないよう、注意が必要です。悪党とは、自分自身やほかの人の行為として表れる《シャドー》を象徴しています。このカードを受け取った場合には、他者を犠牲にして自分を優先する態度をとっていないかを、振り返ってみなければいけません。人を踏みにじって手にしたものは、決して充足をもたらすことはありません。それどころか、いつかは《傷心》のかたちでその報いを受けることになってしまいます。とうてい無理そうに思われるとしても、誰もが同じように満たされる道もあるのです。ほかの何にも増してそのことを願うことで、よりよい選択肢が見えてきます。
カードを読む
あなた―またはほかの誰か―は、他者を踏みつけにして、自分の利益のためにのみ行動していることに気づいてください。 このカードが置かれた位置が、そのような振る舞いに及んでいるのは誰なのかを特定する場合もあります。ほかの人を犠牲にしているかもしれない行動をとっているなら、それを改めてください。ほかの誰かがあなたにそうした行動をとろうとしている場合には、なんとしてもそれを阻止しなくてはいけません。 誰かの犠牲になることに甘んじるのは、自分を傷つけるだけでなく、相手の罪を増長させてしまいます。犠牲者の役を買って出るのは、自分の抱いている罪悪感にうながされた償いの行為なのです。そのような姿勢は決してよい結果をもたらしてはくれません。それを手放し、前に進んでください。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士
