74 不毛 drought
不毛は、何も得るもののない、恐ろしい病です。幸せな夜も、心弾むタベも、爽やかな朝の歓びもない、笑顔の消え果てた世界です。ロマンスもセックスも満ち足らず、求めれば求めるほど、いっそう遠のいてしまいます。それらが自分にとって必要なものでなければ、手に入っていなくても、何の痛痒(つうよう)も感じないはずなのです。
セックスを必要としていないなら、矛盾するようですが、望むだけ手に入れられるかもしれません。どうしてもセックスが欲しいと思っていると、逆にそれを諦めざるを得ないかもしれません。不毛に見舞われたときは、ロマンスとセックスにかかわる愛や安らぎ、甘さ、遊び心、それに滋養も冒険も天真爛没さも、ひとつも手にすることが叶わないのです。それを周りのせいにすることもできますが、自分に何かが欠乏しているとすれば、それは自らそれを自分に与えない道を選び取っているからにほかなりません。ですので、ロマンスとセックスヘの扉を閉ざすことになった原因を突き止めることが大切です。それ以上に大切と思ったものは何だったのでしょう?何に対する怒りや傷や不満や復讐心が、その扉を閉ざしてしまったのでしょう?
望んでいるはずのものが得られずにいるのは、別のことにとらわれているか、意識の中の隠れた部分がほかの目標を設定しているからなのです。
カードを読む
不毛のカードを受け取ったら、恋愛関係や対人関係、セックスの欠落が自分にとってどのような利点をもっているのかを、考えてみてください。自分で気づかずにいた別の目的が見えてくるにつれて、それが報復か、欠乏を美徳と考えていたか、自己攻撃、あるいは罪悪感を償おうとするものだったことに気づくでしょう。何であるにせよ、それは最終的な幸せにつながる道ではないことが分かります。ここで、新たな決断をくだしてください。扉を開け放って、もつれたものをきれいに追い出してしまいましょう。自分を解放して受け取る心が開かれれば、 それを与えてくれる人が現れてきます。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士