メンターという存在を知っていますか?よき助言者、指導者と訳されます。メンターがいることで心強く、方向性が見え、チャレンジをすることや学びや成長が出来ます。
自分がはじめたばかりでまだ迷いが多いときや、方向転換をしたとき、あるいは新しいことにチャレンジしたいとき、今までとは違う考え方やり方を学びたいとき、いずれの場合もメンターという存在がいることでぶれずに目的地まで進むことが出来ます。
行きたい目的地がどこなのか、目的地に到達するために今の自分にはなくて学ぶことが必要なものが何なのかによって、出会うメンターは異なってきます。
あなたに必要な時に必要なメンターが見つかるように、メンターとは何か、3つのタイプのメンターについて書いていきます。
1.メンターの語源・由来
まずはメンターとは何かを知るために、メンターという言葉の語源・由来を書きます。
メンター(Mentor)の語源は古代ギリシャ文学最古期に書かれた叙情詩の登場人物の名前が由来です。その登場人物の特性からよき指導者をメンターと呼ぶようになりました。
現在においても
メンターはギリシャの詩人ホメロスが書いたとされる叙情詩『オデュッセイア』に登場する老賢人「Mentor(メントール)」の名から。
メントールは、オデュッセウスがトロイに遠征する際には勝利を導く助言をする存在で、オデュッセウスにとって信頼できる支援者であった。
そこからメンターは「助言者」「教育者」「恩師」などの意味でつかわれるようになった。
語源由来辞典 http://gogen-allguide.com/
2.組織の中で精神的なサポータ―として出会うメンター
1つ目のメンターは、組織の中で出会うメンターです。
企業内で行われるトレーニングであるOJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)と同様に、企業などの組織の中においてメンターは人材育成の用語として使われています。
2-1メンタリング
メンターが行う人を育成することを目的とした指導方法です。
会社などの組織の中では、人間力の高いスタッフや経験豊富なスタッフが、メンティである新入社員や経験の浅い後輩のメンターになります。
通常メンターの行うメンタリングは、同様にビジネスで取り入れられることの多いコーチングと同じで、基本は1対1の指導法です。
メンターはメンティに対して、指示や仕事の仕方を教えるというよりも、メンティ本人のやる気や、自発的な成長をサポートすします。
そのためメンタリングは、コーチング同様に様々な質問を投げかけたりすることで、メンティ本人の内側から答えを引き出します。
2-2OJTとメンタリングの違い
OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)は、第一次大戦中のアメリカで生まれ、当時は、できるだけ早く作業者を教える技能を身につけるように訓練するために開発されました。
OJTとは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動である。 https://ja.wikipedia.org/wiki/OJT
メンタリングはメンターの側にある仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを教えるというよりも、メンティの中にある答えを引き出すということが目的です。
OJTもメンタリングも人材育成を目的としていますが、OJTはトレーンング、メンタリングはサポート、双方の手法が異なります。
2-3コーチングとメンタリングの違い
組織の人材育成として取り入れられる場合、コーチングとメンタリングはどちらも個人の指導法としてとても効果的です。
コーチングは、コーチングスキルである質問をすることでビジネスの現場で起きる問題解決や個人の目標達成や、自発的なやる気を引き出すのに効果的です。
メンタリングは、コーチングに比べてもう少し広範囲に、精神的なサポートをすることも含み、仕事以外の悩みや相談などもサポートします。
2-4メンター制度
メンターによるメンタリングを制度化したものをメンター制度といいます。
特に、新入社員の定着・育成を目的にメンター制度を導入する企業が増えました。
仕事の仕方などを直接指導する上司とは別に、3年から5年くらいの先輩社員が、社会人としての成長や精神的なサポートをする相談役としてメンターとしてつきます。
メンター制度によって、新入社員の離職率が減り、また他の社員にも、人を育成していく意識が向上するという効果が出ています。
(厚生労働省「ロールモデルの育成およびメンター制度の導入に関するアンケート調査(平成24年11月)」)
3.ロールモデルとして出会うメンター
2つ目のメンターは、将来の理想の自分像のモデルとなる存在です。
この場合、この人から影響を受けたい、この人のようになりたいというお手本になる人がメンターで、必ずしも直接会ったことがあったり、メンターがあなたの存在を知っているとは限りません。
テレビや、本や、講演などでその人から影響を受け、ああいう人になりたいというロールモデルになる場合もあるからです。つまり、あなたはメンターの存在を知っているので出会っていますが、メンターはあなたに出会っていない、あなたにとってのスターのような存在です。
1で書きましたメンターの由来通り、助言者としてガイダンスをもらう存在であったり、師匠としてその技術を学ぶ存在であったり、あるいは人生そのもののお手本=ロールモデルとして、自分自身に強く影響を与える人がメンターとなります。
ロールモデルの例
- こうなりたい未来の自分のモデルになるような存在
- その仕事ぶりや技術をモデルにして身につけたいと思うような存在
- その人の著書を読んだり話しを聞くことで、考え方生き方に感銘を受けた存在
- すでに故人でその偉業が今なお多くの人に影響を与えている存在
いずれにせよその人の生き方在り方が、自分の人生や仕事の仕方、考え方の方向性を示してくれるカリスマ的な存在です。
メンターという憧れの存在をロールモデルを持つことで、その人をより知り、真似をしていくことも自分が成長しやすくなっていきます。
4.身近な存在として出会うメンター
3つ目のメンターは、すでに出会っている人や直接的な関係性のある存在です。
3のロールモデルとしてのメンターに比べると、もう少し身近な存在で、かつて教えを受けたことがある恩師や、仕事や技術の師匠のような存在です。
メンターとの関係性の中で、直接話をしたり何かしらのアドバイスをもらったりしたこともあるくらいの距離感です。
- 仕事や何らかの技術等のスキルだけではなく、人間力があり、魅力的
- その人の存在が意識のどこかにいつもあって、「○○さんだったらなんていうかな、そうするかな」と考える存在
- 親以外に自分のことをずっと見ていてくれる存在であり、自分のことを自分以外に詳しい存在
- 教えてくれるというよりは生き方を通して進む道を見せてくれている
- そばにいると嬉しいんだけど緊張する、親しみはあるけども友達とも違う
- 尊敬と敬愛の対象
- 困ったとき、悩んでいるときに、声を聴きたくなる、ガイダンスを求めたくなる
- うまくいったときには一番に報告したくなる
- 自分の決意、コミットを報告したくなる、ひと声かけて欲しい、厳しくして欲しい
身近にそういうメンターがいてくれるだけで、とても心強く感じるものです。
メンターからの信頼があれば、チャレンジをすることが出来たり、たとえ失敗したとしても、その失敗から学ぶことが出来ます。
まとめ
メンターとはどんな存在かと、3つの異なるタイプのメンターをご紹介しました。
メンターは身近で会える存在であっても、直接会ったことのない存在であっても、今の自分自身に良い影響を与えてくれます。
メンターがいることで、心強く感じたり、これからの人生のすすむべき方向性を見せくれる存在です。
あなたがメンターから人生を学ぶことで、成長していくことが出来ます。
そして、学びながら成長していくあなたをみて、誰かが心の中であなたをメンターだと思っているかもしれません。それってとても素敵なことです。
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