Lesson 93. すべての怖れは未来への攻撃である
怖れは、出来事を先取りすることで生じます。私たちは、ともすると未来を批判的な目で見つめてしまうものです。それは、自分の考えを通じて未来を攻撃している状態にほかなりません。その結果、未来が恐ろしいもののように思えてきてしまうのです。
怖れは、私たちが攻撃的な考えを蒔くことで生まれてしまいます。そして怖れを感じると、私たちは未来を信じられなくなってしまうのです。一方、これと対照的なのが「ビジョン」です。「ビジョン」とは、現在の私たちの意欲を刺激するような、前向きな未来の体験を意味します。
怖れは、私たちの可能性も自分らしさも押し潰してしまいます。私たちから自由を奪い、弱い存在にしてしまうのです。こうして私たちは、過去の数々の否定的な経験とそれらにまつわる信念/観念(それらの出来事を生み出した信念/観念と、それらの出来事の結果身につけた信念/観念の両方)を、未来に投影してしまうことになります。
このように過去と未来の間に悪循環が生まれると、エゴはそれを利用して、私たちを力の作用点ー現在ーから遠ざけようとします。現在とは、私たちに力を授けてくれる場所にほかなりません。なぜなら、現在とは「選択の場所」でもあるからです。
もし完全に現在を生きていれば、平和と喜びを体験することができるでしょう。それらに溶かされてしまうため、エゴはカを失い、私たちを現在から遠ざけられなくなるのです。
「なんとなく居心地が悪い」という感じは、私たちが過去に生きてしまっている証拠にほかなりません。怖れを感じてしまうのは、今を生きる私たちが、未来を先取りして対処しようとしてしまっているサインです。もちろん、そんなことがうまくいくはずはありません。
現在を完全に生きるようにすれば、過去と未来の間の悪循環に対処し、それを解決することができます。現在に意識を集中すれば、永遠(いつもここにいる状態)への扉が開かれ、今この瞬間に熱意を注ぎ込めるようになるのです。
今日は、あなたの未来に対する展望をよく調べてみましょう。未来はどれくらい明るく見えますか? そこに親密感や成功感が感じられないなら、あなたが「パートナーシップ」と「対等」に到達していない証拠です。このふたつはどちらも、成功の前段階に必要な要素にほかなりません。
今日は未来を信じてみましょう。今日は過去を手放し、そこにうずいている否定を手放すのです。未来にコミットしてください。そうすれば、未来が良い方向へ変化します。あなた自身を人びとや状況、そして自分自身に対して与えきるようにすれば、すべての人間関係を前進させることができるのです。
未来を信じましょう。あなた自身を信じましょう。神を信じるのです。今日は、あなたの未来を神の手に委ねることを選択してください。これを実行することで、あなたは今この瞬間の喜びを取り戻すことができるのです。
ビジョン心理学創始者 チャック・スぺザーノ博士