Lesson 94. あなたに害を与えていると思える人たちに恩を感じる
ここで紹介するのはシンプルですが、非常に強力な方法です。この方法に従えば、敗北から脱出し、敗北が作り上げた「怖れと失敗のパターン」を解消し、勝利を生み出すことができます。
今から20年前、私はあるチームのワークショップを手伝ったことがあります。そのとき、そのチームの一員であるヒーラー兼コーチの女性から聞いた、感動的なエピソードを紹介しましょう。
その女性は、わずか3歳のときにレイプされたといいます。ワークショップ参加者の前でそのときの様子を語ったあと、彼女はこう言葉を継ぎました。「でも今では、あのときの出来事に感謝しています。あのことをきっかけに、私は癒しの道、精神的な道に進もうと決心しました。もしあれほど強烈な体験をしなければ、ただ漫然とした人生を送っていたことでしょう。
そう、結局のところ、あのショッキングな出来事によって、私は目覚めたのです。あの出来事を活用することで、前向きな人生を歩むようになりました。だからこそ今、私は他の人たちがさまざまなトラウマを克服して前進できるよう、ヒーラーとしてお手伝いすることができるのです」。彼女は威厳を保ったまま、しかも愛情のこもった口調でこう語り終えました。この女性が、参加者たちの尊敬を集めたことは言うまでもありません。
この女性が語った「恩義を感じる」というのは、非常に強力なヒーリング手法です。これを実践するのに難しい手順は必要ありません。ただ「自分が『傷つけられた』と思っている相手には恩義がある」と気づくだけでよいのです。次の指示に従い、 リストを作ってみるとよいでしょう。
あなたがこれまでに体験した、強烈な敗北を3つ選んでください。そしてその敗北に関係した人びと(あなたが「自分はこの人物に傷つけられた」 と思う相手) に、どんな恩義があるかよく考えてみるのです。
(1)被害を受けた人( )さん
①私はこの人物にどんな恩義があるか?
②この人物はどのように私を助けてくれたのか?
③私はこの人物のどんな点に感謝しているか??
(2) 被害を受けた人 ( )さん
①私はこの人物にどんな恩義があるか?
②この人物はどのように私を助けてくれたのか?
③私はこの人物のどんな点に感謝しているか??
(3) 被害を受けた人 ( )さん
①私はこの人物にどんな恩義があるか?
②この人物はどのように私を助けてくれたのか?
③私はこの人物のどんな点に感謝しているか??
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士