Lesson3. 目標について学習する
まだ若い時分、博士論文に取り組んでいたとき、私は「完璧主義」の段階に陥っていました。作業の全体像も把握しないまま、文章ばかりこだわった結果、最初の章(49ページ)を書き上げるまでにほぼ2年も費やしてしまったのです。
そんな私を救ってくれたのが「目標設定」だったのです。
私は思い切って、1日の終わりに約5㎞のジョギングをすることにしました。そしてジョギングをはじめると、自分の論文書きとジョギングのプロセスに共通点があることに気がついたのです。
走っていると苦しくて疲労がたまり、気持ちがくじけそうになってしまいます。そこで自分を奮い立たせるために、道の前方に見える、小さな距離標識を目安にすることにしました。「次の標識まであと何km」という目標設定ができます。しかもその目標を達成するたびに、報われたような気分になるのです。
気を良くした私は前方の木を目安に、さらにもっと細かな目標を設定することにました。そしてそれに到達すると体からエネルギーが湧き出てくるような気がしました。
私は論文書きにおいても自分のために目標設定をし、その目標にたどり着く前に、次の目標設定をする事にしました。そしてこのやり方により、以前よりもずっと効率よく論文の執筆を進められるようになったのです。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士