Lesson 15 「負けのパター ン」を取り除く
私たちは成長するにつれ、成功に関する決断を下すようになり、人生のパターンを作り出していきます。もし幸せで強力な出来事に遭遇したら、自らの成功を強化するような選択ができるでしょう。
ところがつらい出来事、またはトラウマとなる出来事に遭遇した場合、私たちは自分自身や人生、あるいは成功を否定するような決断を下してしまうのです。その種の否定的な選択は、いつしか隠れた「否定的なパターン」となってしまいます。ときどき、このような「負けのパターン」を埋め合わせようとするケースも見られます。これは、私たちが否定的なパター ンに備えるために、わざと積極的な行動に出ようとする状態です。
しかし、しょせんこれは防衛に過ぎません。いくら消極的に行動しても、何のご褒美を得ることもないでしょう。 このような防衛に多くのエネルギーを使い果たしても、結局残るのは疲労感と燃え尽きだけなのです。
否定的なパターンを作り出すのは、私たちの間違った選択にほかなりません。私たちは直観を通じて、その間違った選択に気づくことができるのです。
ここで自分にこう問いかけてみてください。「これまでの人生で最高の1年はどんな年だっただろう?」心に答えが思い浮かぶのを待ちます。もし何も思い浮かばないようなら、答えを想像してみてください。無理に思い出そうとしたり考え込んだりしない限り、あなたの直観が邪魔されることはありません。そのあと、自分にこう問いかけてみてください。「もしわかるとしたら、私のこれまでの人生で最悪の1年はどんな年だっただろう?」
このエクササイズにより、あなたは直観を活性化することができます。直観の活用こそ、心のはたらきを調べるために有効な方法にほかなりません。大きな成功を収めている人びとは、この方法を日常的に行っているものなのです。
さらに、自分に次のように問いかけてみましょう。
「もしわかるとしたら、私の成功を阻んでいる 一 番大きな節害は、私が何歳のときにはじまったのだろう?」
「もしわかるとしたら、そのときどのような出来事が起きたのだろう?」
「もしわかるとしたら、その出来事の結果、私は自分自身や成功についてどのような決断を下したのだろう?」
「もしわかるとしたら、その決断は私の人生の成功にどのような影郭を及ぽしたのだろう?」
その出来事が起きた時点にさかのぼっている自分の姿をイメー ジしてください。そして今度は、自分自身に関して肯定的な決断を下すようにするのです。今の状態を考慮した場合、その時点でどのような選択を下すのがよいと思いますか?
ここで大切なのは、そのとき自分自身に対して否定的な決断を下せば、その状況にいる他の人びとも否定したことになる、
という事実を理解することです。これこそ彼らがあなたを傷つけるような振る舞いをし、あなたが自分自身を傷つけるような決断を下してしまった原因にほかなりません。
あなたは自分自身を救うためだけではなく、その状況の関係者全員を助けるためにその時点にさかのぼっています。自分から彼らの心にはたらきかけ、彼らが自分自身のためになるような選択をし直せるよう、手助けしてあげなければなりません。自分自身と関係者全員のためになるような選択を下すにつれ、その場の光景がどのように変化していくかに注目してください。辺りが大きな幸福感や成功感に包まれるまで、このエクササイズを続けるようにしましょう。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士