こんなことがありました。オンラインでのミーティングで、仕事の打ち合わせをしていました。話しているうちに、あれ?って感じるこことが。
相手の話をさえぎって、「私そんなこといった?」と聞いてみたら、「違うんですか?」って、逆に質問されたりして。思わずムキになって、「そんなこといってません。そうじゃなくてね。。。」
このときに感じたなんともいえない気持ち。その気持ちについて、もう少しくわしく書いてみます。
まず最初は、相手に対するムッとした気持ち。すごく怒っているってほどではないけれど、勝手に決めつけられたような、わかってもらえてない感じ。さらに気持ちをくわしく探っていくと、わかってもらえていないことで、残念な気持ち、大事にされていない感じ、さみしい感じ。
相手の人との関係が近かければ近いほど、このなんともいえない気持ちが強くなります。
相手がパートナーだったら、「まったく自分のことをわかってくれていない!」ムッとする気持ちが怒りになって、言葉や態度で相手にぶつけちゃうかもしれません。あるいは、相手にはなにも言わないけど、すごくがっかりして、パートナーに対する愛情が冷めるなんてことも。
「わかってもらえていない」っていう体験は、心穏やかではいられなくなります。腹が立つし、悲しいし、相手との間に距離を感じます。
「わかってもらえない」体験をくり返すことで、だんだん自分をわかってもらうということをあきらめる、そんなあきらめグセがついてきます。
誰かに対して、「どうせ」わかってくれないって思っているとしたら、それはあきらめグセがついているサインです。「どうせ」は、はじめる前から、すでに「わかってくれない」ことを想定しています。
自分のあきらめグセに気づかずにいると、相手を変えても、場所や状況を変えても、いつも同じような体験して、「だれも自分のことをわかってくれない」って感じるようになっていきます。
自分以外の人たちは、お互いにわかりあえているみたい。自分は誰にもわかってもらえなくて、ひとりぽっち。自分は、他の人たちとは心理的な距離がある。
ひとりぽっちな感じや孤独感は、心の内側で誰にも気づかれずに、静かに増殖しています。
増殖し続ける孤独感、これを解消するのに効果的なのが、おしゃべりです。
おしゃべりをすることで、相手が今なにを体験しているのか、その人の置かれている状況や事情(家のことや、家族のことなど)を知ることができます。
同じように、自分自身のことを話すことで、お互いの共通点がみつかったり、共通するとことがなくても、目の前の相手に意識を向けることで、ひとりぽっちという気持ちが少しづつ変化していきます。
ひとりぽっちを、つながりに変える。
おしゃべりにはそんな力があります。
この記事を書いた人 一般社団法人 人間力研究所理事 磯ヶ谷ふき子