DAY10. The courage to have the feeling change 気持ちを変える勇気
喪失は前進するための大切な機会です。悲しみの真っただ中にいる人の多くは、変化を求めたり動いたりしたがりません。なぜなら失った人に対する深い愛情が何かしら変化してしまうのではないかと恐れているからです。しかし、あなたの前進を助ける法則に気づくことは大切なことです。前にも言いましたが、ほとんどの深く強い情熱的な愛は、愛の体験というよりも、要求や欲求、またはせっぱつまった感情からきているものです。愛は多くの面において、惜しみなく放出するものであり、常に深まっていく体験です。
次に、もしその関係になんらかの希望があるような場合、たとえば、少なくとももう一度その人に会えるかもしれないような時の成功の秘訣は、その強い気持ちを変えてしまうことです。悲しみの感情でさえ、こだわりのない明るさと人生への期待(かつてのパートナーへの期待ではなく)に変えなくてはなりません。また、あなたはかつてのパートナーに執着しているというよりは、むしろ悲しみも含め、その人に対して持っていた感情にしがみついていることにも気づくはずです。
私はこれまでに、恋人と別れ、悲しみのどん底にある人をたくさん見てきました。彼らは自分から相手と別れたか、あるいはお互いに関係を壊したという事実を忘れてしまうようで、2~3週間もすれば自分の頭の中で、その関係が駄目になったいきさつを作り変え始め、相手に捨てられたかのように思い始めるのです。
繰り返しますが、めぐりめぐった感情を、最後には穏やかな気持ちに行き着かせるために、あなたの勇気が必要とされています。「もしうまくいけばそのほうがよいけれど、だめならだめでしかたがない」というような、穏やかでこだわりのない感情にたどり着くと、人生は人間関係の次のステップにあなたを導く準備をすることでしょう。新しい関係、あるいは今の関係に新しい章がやって来て、新しいロマンスと情熱がまた自然に生まれます。
EXERCISE
あなたの現在の感情をこのエクササイズのための燃料として使いましょう。その感情が肯定的でも否定的でも、やさしいものでも死んだようなものでもかまいません。その関係を象徴するような芸術作品を作りましょう。詩、コラージュ、歌、絵、物語、スケッチ、ダンス、あなたがこれと思うものならなんでもいいのです。完成したら、燃やしてしまいましょう。残しておきたければ写真かコピーだけをとっておきましょう。もしそれが本当の芸術作品であれば、燃やす代わりに、売っても、誰かにあげるのもよいでしょう。このエクササイズはあなたが思い立った時に、繰り返し行うことができます。
「喪失は、前進するための大切な機会なのです」
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士