Lesson 86 . 文句
文句は成功の対極にあるものです。不満を口にするほどミスを犯し、自信や成功から遠ざかることになってしまいます。文句は一種の自己攻撃にほかなりません。私たちは不平を言うことで、「自分は被害者だ。だから、何かを変える力など持ち合わせていない」と考えてしまうのです。
実際のところ、文句は「感情的な脅迫」です。たとえ親しい相手が私たちの不平不満に答えてくれたとしても、そのことで 私たちの自信や「愛されている」という気持ちが築かれることはありません。文句は私たちを弱くします。それが隠れた形であろうとなかろうと、文句は一種のコントロールであり、権力闘争を招いてしまうものなのです。
文句はリソースの対極にあるものです。コミュニケーションを妨げます。文句は何かを「招く」のではなく、「要求」するのです。
私たちは文句を訴えることで、もっと何かを持っていそうな のに、自分のニーズに応えてくれない人びとに憤りを感じてしまいます。これは、私たちが「自分に幸せや問題解決をもたらすのは、自分以外のものだ」と認識してしまっているからです。 このせいで、私たちは力を失うことになってしまうのです。
たとえ自分の二ーズが満たされても、私たちの多くは相手に対して、ひそかにこんな憤りを抱いてしまうことになります。
「あの人はあんなに力があって、あんなに高い位置にいる。私を助けてくれて当然じゃないか」
このことからもわかるとおり、文句とは私たちのニーズが満たされない場合、あるいは、私たちが自分を卑下し、誰かに負い目を感じている場合に生じてしまうものなのです。
人生において、自分がどの程度文句を言っているか考えてみてください。あなたは誰もが認める「文句屋」でしょうか、それとも現状に訂正すべき点があれば、不平不満を言うことなく、できる限り正そうとするタイプでしょうか? 文句を言うほど、あなたは問題の一部となってしまいます。本来なら自分で訂正すべき点も他者に依存してしまうのです。
文句とは依存のサインであり、私たちの幼少期にある「未解決のバターン」を示すものにほかなりません。それは一種の攻撃であり、私たちの恨みつらみや自滅のレベルを明らかにするものなのです。
今日は、あなたの文句の程度を正直に査定してみましょう。あなたはボディ・ランゲージや病気を使って、 どれくらい不平不満を漏らしているでしょうか?あなたは「文句を言うことで、自分自身や他者を攻撃し続けたい」と願ってはいませんか?それとも、「自らすすんでコミュニケーションの方法を学び、有効なステップを踏むことで、自分の内外両面から変容を起こしたい」と願っているでしょうか?
一般的に、どれほど自分で責任をとろうと、人はある程度の不平不満を抱えてしまうものです。その不平を大声で口走ろうと、心に秘めたままであろうと、このことに変わりはありません。こうしてあなたは人を助けられる場合も、それができなくなってしまうのです。
あなたさえその気になれば、責任をとって効率的であるためには何が必要か、学ぶことができます。文句という道は、エゴの道にほかなりません。しかしその道を突き進んでも、結局死んだような状態が待っているだけです。あなたにとって一番良いのは、より創造的なハイアーマインドの道を進み、もっと効果的なリソースを身につけ、文句を断ち切ることにコミットすることなのです。
文句は、成熟不足と悪い態度を物語るサインにほかなりません。これとは対照的に、ハイアーマインドの道は責任と導きを象徴しているのです。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士