This loss hides a place of sacred fire この喪失は聖なる炎を隠している/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士 幸福こそ、最大の復讐である

DAY 20. This loss hides a place of sacred fire この喪失は聖なる炎を隠している

これまで見てきたとおり、どんな大きな喪失にもかつての喪失や傷心があり、それがあまりにも耐えがたいものなので、再びそれを通らなければならないかと思うと打ちひしがれてしまいます。これはひとつの心の領域で、私は「聖なる痛みの炎」、あるいは 「聖なる浄化の炎」 と呼んでいます。それはあまりにもつらい痛みであるために、人はそれを経験するくらいなら、激怒する方を選ぶことでしょう。あるいはそこから逃げ出そうとしたり、 「こんなに苦 しいのはあの人のせいだ! 」と親しい人を攻撃したり、つまり「いつもの手」を使ってしまいます。最終的にこういう防御は何の役にも立ちません。この苦しみは正しい見方をすれば、死ではなく、「誕生の合図」 なのです。

大きな過去の痛みで砕け散った心のふたつの大きなかけらが、一緒に戻って来るのが 「聖なる痛みの炎」 の中で起こることです。そして、バラバラになっていたすべての苦しみが姿を現します。
「聖なる痛みの炎」 の切迫した感情には傷心、嫉妬、恐怖心、無用感、無益感、失望、怒り、激怒、暴力、自暴自棄、絶望、無意味感、空虚感、孤独など、さらに自分を見失ったような気持ち、呪われたような気持ちなどがあります。 そういった苦しみが「聖なる痛みの炎」であるかどうかは、その痛みの度合いによって確認することができます。

たとえば、何かに打ちのめされた感じがしたとします。そうした苦痛から抜け出すための鍵は 「気づく」ことです。単純な、それでいて大切な解決策を実行するやいなや、苦痛はどこかへ行ってしまいます。けれども痛みがひどくて、気が狂いそうになったり、疲れ果ててしまったような時には、解決策を知っていても、しばらくはその痛みにはまってしまいます。そのような苦痛は実際には浄化のひとつで、経験するにつれて心の大事な部分の癒しに 「統合(*)」をもたらすものなのです。

しかし、感情的に高度に訓練され成熟した人々だけが、これに耐えられるのです。私たちのほとんどは痛みから逃げ出す道を探し、何も生み出せず、心がバラバラのままで感情を切り離してしまいます。
自分が「聖なる痛みの炎」の中にいることに気づいたら、その痛みを抜けて誰かを助けることが必要です。誰かを助けるために足を踏み入れる火の輪を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。火の輪の向こう側を探して、誰が助けを必要としているのかをたずねてもいいでしょう。

与えることをとおして痛みは変容します。苦しみは「聖なる誕生の炎」、または 「聖なる愛の炎」、あるいは夢、目的、創造性、芸術、癒し、ビジョンレベルの才能、ビジョンレベルのセクシュアリティ(*)、サイキックな能力やシャーマン的才能、美、愛といったものに形を変えます。私たちは引きこもり、窮屈にしていた場所から、新しいレベルの偉大さ、自信、力強さに到達することができます。

EXERCISE

今日はあなたが持っている痛みを感じながら、誰に、どのように与えることが求められているのかを自分に聞いてみましょう。それは、愛する気持ちや祝福を贈るといったシンプルなことかもしれません。また、電話をするなど、なんらかの方法で連絡をとることかもしれません。あるいは大勢の人々への贈り物となる、創造的なプロジェクトかもしれません。

今日、あなたの 「与える」 という行為が、あなたの痛みを新しい愛と創造性の誕生に変えます。

「与えることによって、痛みは変容する」

* 「統合」
子供の頃のつらい体験によって、打ち砕かれた心が癒され、つながりを取り戻すこと。心のなかで「統合」が起こるたびに、 日常生活での間題も解決してゆくのです。

* 「セクシュアリティ」
いきいきとして魅力的な愛の表現。特にパートナーとの関係に豊かさをもたらすものです。

ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士

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