Reviewing the nature of revenge 復讐の性質について見直す/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士 幸福こそ、最大の復讐である

DAY 22. Reviewing the nature of revenge 復讐の性質について見直す

 

「復讐(*)」がうまくいったためしはありません。そして、それはただ相手があなたに対してしたと思い込んでいることについて、仕返しをしようとする企てです。復讐は他者に対する攻撃的な行動となって現れることもありますが、あなた自身を傷つける形をとる仕返しもあるのです。実際、気づいていようがいまいが、病気、失敗、事故などどいった問題には、「復讐」の中核的な要素が含まれています。けれども復讐はうまくいきません。もし「剣によって生きる」のなら、あなたは「剣によって死ぬ」ことになります。復讐というものは、心に受けた傷を埋めるため、あるいはその傷から自分を守るためのものですが、実際そうはいかないのです。復讐は決してあなたを満足させてくれません。復讐をして少しは気分がよくなるのは、あなたの傷の埋め合わせになるだけで、あなたのパターンを強化してしまうのです。つまり、あなたは 「被害者」か 「加害者」かのどちらかにはまっているのです。

潜在意識の領域に入って行くと、すぐに 「復讐は必要ない」 ということを示す法則を見つけることができます。最初のものは次のようなものです。
「あなたが自分に対してしていないことを、誰もあなたに対してすることはできない」
つまり誰かがあなたの心を傷つけていると感じる時、あなたはもうすでに、自分で自分の心を傷つけているのです。そして、誰かがあなたを虐待したと感じるとしたら、 あなた自身も自分を慮待していたのです。興味深いことなのですが、この潜在意識の部分が癒されれば、簡単に許しが起こり、つらい状況を手放すことが容易になります。

復讐は肝心なところを見落とします。人生を自分のためのものとして捉えず、問題として見てしまうのです。この時点で、成長も、癒しも、幸せも止まってしまいます。
「幸福こそ、最大の復讐」 です。なぜなら、それが 「復讐ではない」 からです。復讐をしていると、幸福にはなれないのです。復讐から抜け出すのに一番いい方法は、自分を大切にすることです。誰かに仕返しをするために自分を傷つけるというのは、実際のところマゾヒズムのひとつの形態です。復讐は攻撃を装った怖れであり、自分の人生を生きること、自由になることへの怖れなのです。

幸福が愛、親密さ、つながりの副産物であるのに対して、復讐は仲たがいを助長させ、本当の問題を回避させる攻撃の形なのです。

復讐はしがみつきの極端な形です。そもそもの別れの原因になった主導権争いや戦いがまだ続いているのです。普通、人間関係の喪失は 「仕返しするために自分を傷つけよう」 といった被害者的な復讐を映し出しています。 これは愛というよりも、欲求不満から来ていて、かつてのパートナーヘの復讐だけでな く、あなたを充分に愛してくれなかった、父親か母親、あるいはその両方に対する復讐、そしてたぶん神への復讐でもあるのです。

心理学的には、人間関係における葛藤は、自分自身の心の葛藤の反映です。復讐は自分の顔をいじめようとして鼻を切り落とすようなものです。

EXERCISE

あなたの人間関係が望んだものを与えてくれなかったように、復讐もあなたが望むものを与えてはくれません。そうでなければ、あなたの表面意識が望んでいなかったにもかかわらず、あなたがその関係を失うこともなかったことでしょう。もしあなたが苦しいのなら、それは復讐をしているからです。さもなければ、幸せでない気持ちを感じつくし、手放すにつれて、ただ甘い切なさだけが残ることでしょう。

「幸福は最大の復讐です。なぜなら、それは復讐ではないからです」

* 「復讐」
依存の第二段階の罠。お前のせいでこうなったんだ、 と言うために自分を傷つける生き方。病気、事故、問題などを起こすことによって相手を苦しめようとすることです。

ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士

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