The refusal to let go 手放すことに対する拒絶/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士 幸福こそ、最大の復讐である

DAY16. The refusal to let go 手放すことに対する拒絶

 

多くの場合、手放すことに対する拒絶は、ひとりの人に対する 「しがみつき」以上の何かがあることを意味しています。それは夢や自分の考えが閉ざされてしまったのかもしれませんし、あるいは癒着や傷心が関係していて、子供の頃から同じような体験を繰り返しているのかもしれません。

手放せないでいることはある種の 「仮病」です。つまり、 自分が前向きになれないのを今抱えている喪失のせいにしているのです。こういった傾向は、本当の自分や、その目的、偉大さを踏みにじる陰謀の核をなすものです。ある場所が恐くて前に進めないので、そこへ行かない口実として被害者になっているのです。これは、次のステップが見えていないために、あるいはどうすればそこに到達するのかがわからないために起こることです。 けれども私たちはそんなことを気にする必要はありません。

私たちのやるべきことは、意欲を持つことです。意欲があれば私たちは前につき動かされ、次のステップもおのずとやって来るのです。別にそれを解明しなくても構いません。解明しようとすると、それは抵抗やコントロールとなって現れ、私たちの動きは遅くなってしまいます。いざ動き出せば、気力が不安や怖れに勝るようになります。そして、意欲があれば、成し遂げられるべきことは、自分によってではなく、自分を通して成し遂げられるようになるはずです。自分でやろうとする時は、 いつもひどく難しくてできないものです。

「私がやるのではない、私を通してやるのだ」 という姿勢があれば、ただそこにいるだけでいいのです。そうすれば、言葉にする必要のあること、やる必要のあることは、おのずと与えられることでしょう。この姿勢が私たちに恩恵をもたらし、怖れや傷心や権威との葛藤 (*) などによって引き起こされるコントロールを回避させてくれるのです。うまくいくかどうかの不安、完全主義、 自分は不充分だという感じ、怖れ、競争、敗北感に結びつく不信など、私たちの人生の暗黒部分が隠しているものは、みな自分によってではなく、いわば自分が 「恩恵の通り道」 になることによって、答えを得、乗り越えられていくのです。がんばろうとすればするほど、ストレスは溜まり、困難は増し、 不必要で難しい仕事ばかりが増えていきます。 そしてやればやるほど、将来への不安感は増し、過去への罪悪感や失敗感も募っていくのです。

あなたの人間関係が変わってしまったのは、明らかに自分でやろうとしたことの結果です。 いやな気持ちがする時はいつ も、あなたが自分でやろうとしていることへの警告です。心の痛みを感じた時は、何かせずにいられないという自分のパタ ーンを手放すよい機会だと捉えてみたらどうでしょうか。そうすればなされるべきことが直感的になされるようになるでしょう。

EXERCISE

今日は変わろうとしてみましょう。あなたの過去の人間関係の中で、何かにしがみついている点があれば、それを変えてみましょう。

人生の中で、あなたが 「自分でやろう」 としていることのリストを作りましょう。このリストに掲げられている項目はあなたの罪悪感、苦しみ、失敗感、怖れ、不安、欠乏、 困難、成功感の欠如などを表しています。 「何かせずにはいられないクセ 」 は直感、創造性、簡単さ、自由、そしてビジョンを阻んでしまいます。この 「何かせずにはいられないクセ 」 を手放すことの効果を学ぶ意欲を持ちましょう。すべてのことはあなたによってではなく、あなたを通して成し遂げられるようになります。

「意欲を持てば、前進し怖れを乗り越えることができます」

* 「権威との葛藤」
幼少期に父母、教帥など、権威と感じられる人との関わりに問題があり、それが現在にまて尾をひいていること。リーダー的な立場の人、上司などに過去、問題を持った権威的存在の姿を重ね、抵杭や拒絶、依存といった態度で反応してしまいます。

ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士

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